シルバーウィーク。いかがお過ごしですか?
僕は遠出は一切せず、都内の「ここ投資したいなー。」というエリアを「街の探検」と称して子供をつれて回りながらウロウロしていました。
主に東急目黒線、池上線、南武線付近をウロウロしてました。
目黒周辺はいいお店もありますし、こぶりでも子供が楽しめる公園がいくつもあり、子供も大人も楽しめるいい街なんだなぁ、、、と改めて実感した次第です。
#渋滞で疲れきる旅もそれはそれで味ですが、こういった何気ない休日もいいもんですね。(笑)
1. 低欲望社会。
- 作者: 大前 研一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: 単行本
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連休中は、トマ・ピケティの「21世紀の資本」を覚悟を決めて読もうかと思っていました。(一応、事前に「21世紀の資本の”読み方”とう本」を読み終えて、入り口にたてた気がしていたのでw)
が、あの厚みを見て、うーん(手が伸びん。。。)と思っていたときに、ふと、街の本屋で見かけた大前さんの本を購入してしまいました。
アベノミクスが始まった2年前から今日に至るまでの、「株価は上がるんだけど、なんでこう、実生活に実感として景気浮揚を感じられないんだろう」という、疑問と、なんかこう、釈然としない違和感が今も続いている訳ですが、
書店で、この「低欲望社会」というキーワードを見て、ちょいと、目次を眺めていてなんか面白そうなヒントが得られそうだと言うことで、「21世紀の資本」を「まだ読まなくていいや」という自分勝手な理由を作ることができました。
ようやく第二章を読み終えようと言うところですが、この本は不動産投資家、、、というか、ビジネスオーナーであれば、是非読んでいただきたい一冊です。現状の日本の「なんとなくやばそうな雰囲気を具体的にここがヤバい。」と認識させてもらえる、示唆にとんだ内容となっていると思います。
彼が主張している話の中の一つに以下キーワードが上がっています。
- 日本の最大の問題は「人口減少」であること。
- 日本人はこれから(これまでも?)等しく貧乏になっていくであろうと言うこと。
- アベノミクスがどんなにがんばっても、「低欲望社会でいきる若年層」にはこれが響かない。これも問題。
人口減少は、不動産賃貸ビジネスオーナーである我々であれば、大抵この問題について認識されていると思います。
人がいなくなるってことは、単純に考えて「家賃をいただける対象の人が減っていく」訳ですから。
切実ですよね。
* 2. 人口減少問題。
以前、竹中平蔵さんのセミナーでたまたま質問できるチャンスがあったので、阿部政権で人口問題に対する対策と言うのは具体的にとられているのか?という質問をしました。阿部政権、、、というか日本政府でも当然このような問題を把握し、これに対して、わかりやすい対策としては移民受け入れなどを検討しているらしいですが、とにかく、日本という国は、移民アレルギーが異様に強いため、移民に対する抜本的な対策は未だとれないでいる状況だそうです。
確かに、僕も安直な(戦略なき短絡的な)移民受け入れの門戸を開くのは非常に危険だと考えます。
#期せずして、現在、シリアの難民が、ヨーロッパに押し寄せていますが、これは今後のEU運営に与える影響は計り知れないんじゃないでしょうか。(経済・政治・治安面含めて)
では、移民でなはない、人口減少にたいする策はと言えば、ヨーロッパでは、婚外子を認めることで出生率を改善していると言う話です。こういった対策を取り込むことも一考ではないか?と大前さんは延べています。
わかるんですが、、、日本人にこの考え方が受け入れられるかどうか、、、(もちろん、受け入れない本人達も論理的には理解しているとは思いますが、義理・人情・村社会が根底にある日本という文化にこの考え方が受けいられるのはもう少し時間が必要だと思います。)
なので、、、人口減少問題は、今後の日本の経済にとって深刻な影を落とすことになっていくんでしょう。
3. 日本人はこれから等しく貧乏になっていく
これが僕は怖い減少だなとおもったことなんですが、日本人が等しく貧乏になっていくということ。
てっきり、「持てるものは、もっとお金持ちになり、持たざるものはもっと貧乏になる、という、”二極化”」が日本でも深刻化すると思っていたのですが、これに加え、国全体が貧乏になっていくというこの現象。
富裕層自体も貧乏になっていくという問題。
これは深刻なんじゃないかと。
ここでは細かくは書きませんが、要は、日本の「富の再分配構造」がその諸悪の根源なんだそうです(要は、累進課税の仕組みのことです)。
富裕層自体が、高い税率で税金を盛っていかれている時点で、彼らはすでに社会貢献をしているという立場になり、本来の「旦那業」が出来ていないんだそうです。
これだけならまだしも、相続税の問題も絡んで、海外の資本は集まらないは、そもそも力のある国内の企業・富裕層が海外にその身を移していく現象が出てきていると言うことです。
で、残された国民は、限られた資源で、低所得者層への手厚いサポートの仕組みを支え続ける仕組みを強要される。という状況です。
低所得者層は「貧乏でも、それなりに食っていけるから幸せ」という考えが浸透し、そっちの層に流れていく人口が増えていく。ますます、高所得車層の資産がそちらの維持に盛っていかれる。。。という、負のスパイラルです。
※低所得者の上記のような心理状況を「リア充」ならぬ、「プア充」と表現したのには膝をたたいてしまいました。
、、、なんとなく、その構図、肌身で理解されている人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
僕は今つとめている会社でもそういった構図(所得と言うよりも、仕事の重み、、、という意味です)があって、これに不満を感じている一人です。お金か、仕事かという違いがあるだけで、根本的な問題は同じです。(詳細は控えますが、わかる方にはわかると思います)。
当然、こういった状況はそう長くは続かず、いずれは破綻を来して、「プア充」を満喫していた層は、一気に「ガチのプア」に転げ落ちていく可能性が高いとのこと。
これが、近い将来の日本が対峙する問題であろう、と同著は述べてます。
* 4. 根本にあるのは、「低欲望社会」。
「低欲望社会」。
これが、大前さんが指摘する、日本の現在の窮状の一番の原因です。
要は、ここ数年で、若者がとにかく消費に対して、価値を見いださない人種となってしまった。と言うことです。
上記「プア充」に表現される若者層がこの社会を形成していると。
僕らアラフォー世代は、ちょうどバブル全盛期を中学生ごろに、そして、その崩壊を高校生の頃に経験しています。
栄枯盛衰といっては何ですが、とにかく、バブル当時のあのイケイケ感を肌身で感じていますし、同時に崩壊後のあの虚脱感・不安感も同時に感じています。なので、どちらが良くて、どちらが悪いか、を「実感として」考えることが出来ます。
が、僕らの後の世代は、バブル崩壊以後のあるいみ「荒んだ」空気のなかで、かつ、『生活に必要な物資はすべてある』なかで育っています。
以前会社の20代の後輩と話したときに車を買う買わないという話をしたことがありますが、強烈に印象づけられた言葉がありました。
『え?、ていうか、そもそも、車自体必要ないじゃないですか?
持つ、持たない、じゃなくて、
そもそも、「選択肢にない」んですよ。最悪、レンタカーあるじゃないですか。笑』
普通にこれを言われたときに、妙に納得するとともに、あ、俺はこいつらとは別次元の価値観でいきる生き物なんだと改めて考えさせられました。
必要なものはあるんだから、その範囲で楽しければ、それでいいじゃん。
が根底にあるんでしょう。
金稼いだら、とりあえず車かって、そんでもって、夏は海に彼女を連れて行ったり、冬はスキー&温泉三昧(ムフフ)。
なんて考えているのはどうやら僕らの世代(僕らの世代でもかなり少なくなっている層かもしれない)で終わりなのかもしれません。
これからわかることは、(大前さんも同著で言っていますが)
これからの日本は、欧米で前提となっている「消費」ありきの経済対策では、ほぼ間違いなく景気浮揚するのは難しいであろう、と言うこと。
いくら、株価をつり上げても、いくら、企業の賃金があがっても(、、、というか、これは一部の大企業だけですね)、これが消費に直結しない(むしろ、貯蓄に回っていく)のは、実はこの「低欲望社会」が根底にあるためなんだと思います。
大前さんは言います。(以下、同著より抜粋)
この先、日本企業は彼らの意識と行動をしっかりと分析して、彼らの価値観を的確に把握し、
それに併せてマーケティング戦略、商品戦略、販売戦略を、いや、ビジネスモデルそのものをゼロから練り直す必要があろう。。。
と。これが彼の警鐘です。
これは、ビジネス全体に対する話になると言うのはここまで読んでくれたあなたならばご理解いただけると思います。
即ち、これは、我々不動産賃貸ビジネスオーナーにとってもまったく同じ話が当てはまると言うことです。
我々も、旧来の賃貸市場への商品(お部屋)の提供のスキームをここらで根底から見直してみることが大事であろうと言うことです。
同著でこれに関するちょっと面白いデータが出ていたので、これについてお話ししたいと思いますが、、、
今日は疲れたので次回につなげます。
お休みなさい。
連休明け、がんばりましょう!!