川崎物件の大規模修繕の話を続けます。
前回分はここをクリックして読み直してみてください。
今日は、業者さんを選定したときのお話です。
3社にプレゼンと見積もりを依頼したところ、圧倒的な技術力・提案力を示す実力派の業者さんを確認。
大規模修繕にあたり、管理組合と管理会社の方とお話しして、数社の見積もりを取ることにしました。
結果的に3社からの見積もりと、その内容についてプレゼンを受けました。
その中で1社、(これは管理会社の担当さんが見つけてくれた業者さんでした、他は、前のオーナー絡みで「やらせてください」的な業者さんだったと思います。)ずば抜けた技術力・提案力を示してくれ会社がありました。
まず、見積もりのための、事前調査の内容について、ものすごく丁寧に、わかりやすく説明してもらえました。
RC特有の問題や、それらに対する、技術的アプローチをどうやってその会社がとってくれるのか?を懇切丁寧に教えてくれるんです。
説明にきてくれていた、僕と同年代の担当さんが、頭脳明晰でいて、それを鼻にかけず、説明を丁寧にできる方でした。
(最近、こういったタイプの人が少なくなりましたね。。)
川崎物件の、調査結果を、(まだ正式契約前なのに)かなりの厚みの資料で、図や表を用いて、どういった部分に問題があり、そこに対してどういった修繕をどの程度でやればいい。といった提案型の資料です。
僕も一応は、技術屋で(どちらかというと最近は、製品仕様を考えたり、問題発生時に最初に矢面に立たされる立場になって胃が痛い日々ですけどw)、製品仕様についてどこまでその担当さんが精通しているのかは、業種を問わず会話をしているうちに大体見当がつきます。
感覚的には、
- 問題点がどこにあるかを、端的に説明できること(回りくどい言葉をいっさい使わずズバリ指摘してくれること)
- 問題点に大しては、松竹梅のアプローチを事前に選択肢として準備してくれており、どれを選ぶか?について、顧客の意見を聞きながら、最終的にこれがベストではないか?と提案できること。
- その場で即答できないことは、その旨を誠実に伝え、「知ったかぶり」しないこと。(会話していると、目の動きやそぶりで大体察しつきます)
- 常に顧客再度の感覚をもって対応してくれること。(要は営業なんだけど、ギラギラしていないこと)
この辺を業者さんとの会話の中で感じ取ってみてください。
これからの不動産賃貸ビジネスの成功には、大家側の「業者の本質的な力を見いだす力」が問われると思います。
他の2社さんは、説明資料も大雑把ですし(本当にちゃんと見てみたの?という感じの薄い内容でした。)、何となく目の前の案件をとりたいがための営業トークでその時点で「あぁ、この人たちは、現場知らねーなたぶん。」と感じました。その後の見積もりもどんぶりでしたし。
ということで、上記優れた業者さんに依頼することになります。これをA社としましょう。
一応、相見積もりの金額だけはとってみました。
* 3社の相見積もり額はそこまで大きく乖離していませんでしたが、見積もり根拠の確度が圧倒的にA社の確度が高い!!
見積もり金額は、3社とも大体2000万円前後でした。
川崎物件は、7階建て、総戸数は60戸程度。当然RCで築25年程度でしたか。
- 躯体のクラック・爆裂修繕
- 躯体の塗装
- 蛍光灯を省エネタイプの暖色系に変更
- 非常階段の修繕
- 鉄部塗装
- 足場組み立て・撤去
これを主軸として見積もりをとりました。
不思議なことに各社とも2000万円前後でした。(ある程度、業界的に相場ラインがあるということなんでしょう。)
金額は大差ないのですが、
大きく違ったのが、その見積もりの「精度」・「確度」です。
契約を見送った2社のそれは、本当にもう「どんぶり」。まぁ、僕がいる業界での見積もりも、最初のうちは要件が明確にしづらい点や新しい技術を取り入れる際の見積もりは非常に難しい(ある程度の確度定数的なモノを使って出来るだけ乖離しないようにそれでも努力をします)。
が、この2社は、、、まぁ、雑でしたね。
これじゃ、いつ「いやー、こことここが想定外にかかりまして、、、追加で費用負担。。。」ってことになりかねんと感じました。
見積もりの精度・確度、加えて粒度、が低いということは、作業をそれだけ「細分化」出来る力が欠けている訳です。
要は、「つめるべき要件を理解できておらず、結果として出てくる見積もりは、「どんぶり」になるということ。」です。
プロジェクトマネジメント技術が劣っていることの証明でもあります。
この辺A社は作業のばらし方が秀逸でしたし、それぞれの行程も見積もりレベルでは、十分な精度だったと思います。
実際、本見積もりを出してもらいましたが、ほぼ、乖離なく(いや、むしろ、屋上防水をおまけでやってくれたのでお得?)、彼らの仕事のレベルの高さを感じることが出来ました。
この見積もり精度高さと、担当さんの技術力・提案力・マネジメント力を確認できたため、
A社で行くことに満場一致となりました。
聞くにこのA社は、大規模修繕の専門会社(新築は基本やっていないらしく、修繕のエキスパートの会社なんだそうです。JRの橋脚の修繕投下を担当したりするそうです。)らしく、会社としての技術を特許化していたりいます。
このA社の塗装技術は世界的にも取り上げられていて、その塗装だけで、躯体の強度をあげることが出来る代物です。
また、壁面に残る雨のあとの水垢を残さないための機器もあり、これも特許を取得。
本物ですね。
ということで、彼らに川崎物件の修繕をお願いすることになりました。
どんな結果になったか。
次回で最後ですが、その回にてお話ししますね。
今日もおつかれさまでした。
PS. しかし株価は乱高下しまくりですね。コワー。静観しましょ。