こんばんは。
今日も大好きなJUJUのアルバム「YOU」を聞きながらの投稿です。
妻子持ちのアラフォーオヤジが聞くにはちょっとキツイんでないの?というあなた。
えぇ、その通りだと思います。でもいい曲。いい声してます。JUJUさん。一度でいいから、ブルーノートで彼女の歌声を聞いてみたいもんだ。
さてさて。話を標題に戻しましょう。
ネットに転がっていた、とある業者さんで扱っていた都内の物件。
スペック的には以下でした。
- 都内南部、某私鉄各駅停車駅から徒歩4分
- 木造、築10年以内
- 評価は都内にしては十分
- 間取りも絶妙、広めで、セキュリティも配慮
- 利回り6%前半
利回りの低さ故に、イールドギャップ云々という細かい理由(詳細は前回に記載)で指値交渉をしてみましたが、やはり業者さんからの回答は、
売り主さんの、抵当が外せない。
というものでした。
残念。
現時点で値下げした7%前半での買いあがり、、、あ、いやちがうな、売値での購入も頭をよぎりましたが、踏みとどまりました。
もちろん、場所柄の市場の強さ(近郊エリアの新築7%の利回りとは持つ意味が「本質的に違う(*1)」こと)、
流動性の高さを考えればこの利回りでも買う価値はあるにはあるのですが、、、
もう少し効率よくビジネスを回したいという思いもあり、、、
結果としては、見送ったというものです。
(*1):近郊エリアの新築7%の利回りとは持つ意味が「本質的に違う」とは、どういうことか?
都内の駅力のあるエリアでの新しい物件の表面利回りと、首都圏近郊都市の駅力が「イマイチ」なエリアでの表面利回りの持つ本質的な部分は全然ちがうということをここで(自分用にという意味でもおさらいしてみます。
表面利回り=15%、20%、、、とってもいいいびきですよね。
僕も大好きです。
このブログを読んで頂いている聡明なあなたであれば、いまさらこれについて説明は不要だと思います。
この表面利回り程、「フワフワしたあいまいな、実態のない数字」であるという事です。
よく、不動産投資で使われる数字である、「GPI(グロス・ポテンシャル・インカム)」とマイソク(不動産の広告チラシ)で見られる「表面利回り」をごっちゃにされている方を見受けますが、これも全く別物です。
言葉の意味を抑えてみてください。
グロスポテンシャルとは、「潜在的な力」を意味しています。
GPI 不動産投資でグーグル先生で引いてみると、上位に示される説明では、
空室や滞納による損失が全くないと仮定した場合における年間賃料収入総額(満室時賃料)のことで、物件から得られる年間の最大収入額を意味します。
などとあります。これも間違いじゃないのですが正解でもない。
大事なのは、
その物件が、「本質的に、その市場においていくらの収入をその年に叩き出せるか?(ただし、空室・滞納なしで)その力のこと」という事なんです。
ここを読み間違えないようにしてください。
なんとなく、売り主側の業者から得たレントロールを見て、じゃぁ、GPIがこれだ!というのも間違い。
レントロールの値には「遅行性がある」と考えるべきです。
なぜかいうと、その値は、数年前、(場合によっては10数年前)の値だったりしており、今現在の収入力を示していないから。
今現在の収入力を得たいのなら、やはり物件の現地に飛んで行って、周辺の業者へのヒアリングを最低3社をやってみないとわからない。
若しくは、遠隔地からの投資であったとしても、最低は、HOMESとかの募集賃料相場をみたり、信頼できる業者からの情報を多面的にとらえて、この値を捉える必要があります。
ここを間違うと、それ以降の計算がいくら正確・精密であったとしても、「意味のない値になる」という事になります。
だって、物件の本質的な価値をしめす最初のインカム値が狂った値だから。
話を「近郊エリアの新築7%の利回りとは持つ意味が「本質的に違う」とは、どういうことか?」に戻しますね。
つまりは、その表面利回りが示す値は、「本当にその値どおりなのか?」という点。
- 実は、その値を精査すると、GPIベースでは、6%になっちゃった。(よく新築では、水道をひくための予算が別建てで計算されていたりしてそれを組み込むと平気で1%の利回りが下がったりします。
都内の需要が高いエリア以外ではこういうことが頻繁に見られます(よく、ネットで出回っている新築物件のこういったエリアの物はGPI引き直すと大抵軽く1%は低くなったりします。)
需要が低いこういったエリアで大した間取りでもなく、ニーズもろくに反映せず、部屋数だけをムリクリ増やして利回りを稼ぎ出している(つもりになっている)物件に手を出してしまった投資家さんを数名存じていますが、(本人もそれを後に認識されて、苦労されているご様子でした。。。)こうなっては遅いので本当に気を付けてください。
これに対して、僕が検討していたこの物件は、賃貸相場の調査、実際に近隣の業者さんへのヒアリング、店頭の物件チラシの調査から、GPIベースの方が表面利回りを上回っていました。
しかも、物件の質も非常に高い。
街の雰囲気も落ち着いていて、地に足がついている。
だから、GPIベース8%後半位で築10年以内であれば、十分CFが取れると判断した為、「欲しい」と思ったのです。
ただ、売り主の「値下げしたつもりの」価格では、僕の保有・売却シナリオが成立しない為、やむなく、指値。(実態としてはもう少し買いあがればいけそうだったという後日談あるにせよ)指値通らず、断念。
となったのです。
恐らく、指値前の価格でも現金買いの方でしたら、非常にいい買い物になっていると思います。
僕はレバ効かさないといけませんからね。冷静に。冷静に。というわけです。
ならば、物件を選定する際に何を基準に攻めていくべきか?(僕の持論ですが、、)
では、物件選定で、どうやって最初の網掛けをしているか?
これはあくまで僕の「選定勘」ですが、、、
そうですね、この選定勘は、
- まぁまぁ自己資金を持っている
- 自己のバランスシートも債務超過ではない
- 手持ちが築古で、ポートフォリオ的には、次は新しい物件と組み合わせたい
- リスク志向は、ミドルリスク・ミドルリターンのドメインだけど、その中でもリスク志向は高いほう
という立ち位置の人であれば参考になると思います。
※投資におけるリスク志向は、「あんたが良いと思えば、それで良い!(というか、大きなお世話じゃ!)」なので、強要しちゃあかんものなのです。
で、選定勘ですが、、
- まず表面利回りは無視する(あとで、へー、そんな利回りなの。という程度にしか見ない)
- 自分が調査した結果「賃貸需要が高い」というエリアに絞る
- 物件の面構え(*2)がいいかどうかをある程度見極める
- 物件価格と金融機関がみてくる評価のかい離をある程度みる
という感じで選定していきます。
ここでの注意ですが、賃貸需要が強い=大きな駅というわけでもないのでそこはご注意。
例えば、地方では、駅なんてどうでもいいそうですから。また、都内でも大きな駅の近くの各停の駅であれば、乗降客数が小さく(たとえば、1万人いかないとか)ても、マーケットが大きな駅まで狙える(その駅までどフラットで歩いて25分切るんだったら、普通に歩いてそこまで行く人はいくらでもいますから)ことがあります。
で、物件の面構えですが、新しいからいいというわけでもなく、あくまで、間取りが今後自分でいじれるものであるか?購入時点で十分に将来のニーズにも耐えうるものであるのか?周りは汚くても、ちょいと掃除すれば、ちょいと塗装すればガラリと雰囲気が変わるのであれば、それは逆にお買い得という考え方もあるんですよね。
この辺で面構えが良い、もしくは今は悪くても直せば光るやつは、面構えが良いと僕は考えるようにしています。
で、物件価格と金融機関が見てくる評価とのかい離を見て、これが明らかに価格の方が高ければ、相応の指値もアリだし、自己資金を突っ込んでこのかい離を埋めてしまってもいい。
これと、GPIから経費やローン支払いを抜いたNOIと、自分が「このエリアならこの程度の利回りで回せる」という利回りで価格をはじいてみる。
(この時点で、売り主の想いとかは気にしません。)
で、この価格が、べらぼうに売値からかい離しているのであったとして、それでも指値をすべき素晴らしい物件であるならば、そのロジックを誠実に業者さんに伝えてトライすべきだと思います。
僕は現在、「このエリアならこの程度の利回りで回せる」、この「利回り」が、大体現状の利回りから+1か+2%程度高いところにあります。
なので、なかなか指値が通らない。。。
頑固と言われればそれまで。(投資機会を失ってしまうぞ。と言われそうですが)
見方を変えれば、「これはぶれない軸」。
だって、普通に売っている価格だと明らかに儲からないから。。
不動産投資は、不動産賃貸ビジネスですから、儲からないといけません。(ちゃんと、世の中に価値を提供する、という前提で、です)
ボランティア精神でよしとするならば、それはそれで結構ですけど。違いますよね。
しばらくこういう状況が続きそうですが、この状況、どこかで潮目が変わると信じて、毎日、これからも市場と会話を続けていきます。
※今日もまた、2件ほど面白そうな物件があったので、数字の精査と価格設定をしております。
同じ状況にあるあなた。
めげずに、毎日の積み重ねをしていきましょう。それこそが、地に足の着いたビジネスですから。
ちょうどJUJUのアルバムが終わったので、この辺で。
おやすみなさい。